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JICA主催アフリカオープンイノベーションチャレンジに、デザイン思考でアジャイル開発するSHEP(市場志向型農業)特化型マーケティングプラットフォームが採択

ソリューション開発の背景

SHEPアプローチは、農家が能動的・積極的に情報の非対称性を緩和し、農家の自立的な動機付けを促すために有効な手法であることが確認されています。しかし、多くの農家は市場調査を実施した経験がなく、それを始めるにあたっても、どの市場を訪問すべきか、市場選びに戸惑い、また実際に調査を実施してもバイヤーが提供する情報を、詳細に確認したり、真偽判断することなく鵜呑みする傾向にあります。今後、 農家グループ内や近隣地域の農家グループとの間で、市場調査や実際の販売結果などの情報共有を行うことができれば、近隣地域での市場機会を適切に把握することができ、市場調査を現実的かつ具体的に計画・実施することができるようになります。

 現在実施しているTANSHEPにおいて、SHEPアプローチを習得した農家による市場調査結果等の情報を収集・蓄積し、農家グループ内や他地域の農家グループとの間で共有でき、SHEPアプローチの効果を拡大するソリューション(「SHEP(市場志向型農業)アプローチの効果を高める、農業普及員及び農家によるマーケティングを支援するイノベーション」)をJICAが主催する「Africa Open Innovation Challenge」内で募集(参照URL:https://openinnovation-2020.com/tanzania-agriculture)し、Koeerüが提案した本プラットフォームのアイデアを採択頂きました。

本プラットフォームの全体イメージ

本プラットフォームは、タンザニア農家が実施する市場調査のデータ収集から、既存の市場情報サービスの連携、データ一元管理、データ共有や活用までのプロセスを効率化するためのシステムを構築します。

① データ収集

タンザニア農家が、市場の価格やニーズなど市場情報を効率的に収集し、全てのデータを一元管理するサーバーにアップロードする仕組み

② データ連携

タンザニア農家が、市場を理解するために利用可能な既存の市場情報サービスを、データを一元管理するサーバーにアップロードする仕組み

③ データ一元管理

①と②の仕組みで収集・連携された全てのデータを一元管理する仕組み

④ データ共有

一元管理されたデータを効率的に他者に対して共有する仕組み

⑤ データ活用

一元管理されたデータを活用するための仕組み

本プラットフォームの特徴

本プラットフォームは、主に以下の5つの特徴を持っております。

1. デザイン思考アプローチ

Koeerüは、本プラットフォームを含む全てのソリューション開発にデザイン思考アプローチを取り入れています。デザイン思考アプローチとは、デザインリサーチ(ユーザやエクスパートに対するインタビューや観察など)を通じた現状の共感・理解(Empathize)を起点に、課題を定義・明確化し(Define)、ユーザにとって理想のソリューションを創造(Ideate)、現状の課題と理想とのギャップを埋めていくためのプロトタイプとなるMVPを開発(Prototype)し、ユーザに対して実証実験(POC)を行っていく、ユーザ中心のソリューション設計・開発手法となります。

2. アジャイル開発

本プラットフォーム開発にあたり、デザインリサーチを元にプロトタイプとなるMVP(顧客に価値を提供できる最小限のプロダクト)を開発から、POC(実証実験)の結果を元にカスタマイズ開発まで、一貫してアジャイル開発方式を採用しています。アジャイル開発方式は、ウォーターフォール方式(プロジェクト開始前に、要件定義や設計を細部まで煮詰めてから1度の大きなサイクルで開発を進める開発方式)とは異なり、『計画→設計→実装→テスト』といった開発工程を機能単位の小さいサイクルで繰り返す開発方法である。これにより、デザインリサーチやPOC(実証実験)によって明らかになるタンザニア特有の環境やユーザニーズなど、設計時には把握できない要素に対して柔軟に対応することができます。

3. インクルーシブ(包括性)

本プラットフォーム開発において、プラットフォームの利用対象となるユーザは、識字能力や保有するデジタル機器、市場調査の経験などを問わず、TANSHEPの対象となるすべてのユーザ(農家やバイヤーなど)が参加し、そのメリットを享受することができるソリューションを構築します。

4. SHEPアプローチ

本プラットフォーム開発にあたり、TANSHEPが活用するSHEPアプローチのオリジナリティーを考慮した設計を行います。具体的には、農家による市場調査のデータ収集から他社への共有までのプロセス効率化の仕組みから、市場調査の結果に基づく対象作物の選定やバイヤーとのマッチングなど、データ収集のROI(費用対効果)を最適化する仕組みを開発し、各システムの機能要件においては、SHEPアプローチが重視する「自律性」「有能感」「関係性」の観点から内発的な動機(モチベーション)を継続的に高める要素を考慮します。

SHEPアプローチの考え方(JICA公開資料より)

5. Survey for Good

Koeerüは「Survey for Good」という、市場や顧客などの「声」に関わる全てのステークフォルダーが一体となり社会課題を解決するデータプラットフォームを構築するというミッションを掲げています。TANSHEPにおいても、SHEPアプローチの効果を最適化し、タンザニア農家の「作って売る」という現状の社会課題を解決し「売るために作る」への意識変革を実現するためには、タンザニア農家だけではなく、農家普及員やバイヤーや事業実施国政府機関、各タスクフォース、JICAなど、TANSHEPに関わるあらゆる機関が参加することができるプラットフォームを構築する必要があります。具体的には、データを実際に収集する農家をサポートする機能(例:スマホを持たない農家が収集したデータを代わりにアップロードする機能)や、収集したデータを管理する機能、自身で運用することができるアドミン機能などが考えられます。

「Survey for Good」の考え方

本プラットフォームの構築は、Koeerüが提供する「デザイン思考に基づくソフトウェア開発」と「グローバルリサーチ」のソリューションを組み合わせたサービスとなります。本サービスに関してご質問などございましたら、ご遠慮なくお申し付けください。

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