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顧客満足度調査で有効な回答を集めるために知っておきたい回答報酬(インセンティブ)の注意点|Koeeru Academy
Koeeru アカデミーでは、Koeeruが特化する海外調査に関する基本的な情報や海外調査をする上でのお役立ち情報を定期的に更新していきます。今回は顧客満足度調査やウェブアンケート調査におけるインセンティブと回答率の関わりについて詳しく説明していきます。
Koeeruは、顧客の声を効率的に収集するツールを用いて、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)向上のサポートをしております。
「回答率が予想以上に低く、十分な数を集めることができない。回答者に対して何らかの報酬を提供することを検討しているが、報酬が回答のクオリティに悪い影響を与えることはないのでしょうか?」顧客のフィードバック(NPS®︎等)を既に収集しているという方とお話しすると、こういった質問をよく頂きます。
今回のKoeeru アカデミーでは、「顧客の声収集の回答率と報酬の関係」についてお話しさせて頂きます。
目次
1. 顧客の声を効率的に収集するために、回答に対する報酬(インセンティブ)が必要な理由
ー 1. 顧客の声を収集する重要性とメリット
ー 2. 回答に対して報酬(インセンティブ)を与えるデメリット
2. 回答報酬(インセンティブ)を与える際の4つの注意点
ー 1. 顧客は自分達の声が企業にきちんと届いている事を確認したい
ー 2. アンケート内容がシンプルであること
ー 3. 顧客との関係(エンゲージメント)を強化する報酬=良い報酬
ー 4. デジタルインセンティブの利点
3. 顧客満足度調査の回収率と報酬(インセンティブ)を最適化するには
顧客の声を効率的に収集するために、回答に対する報酬(インセンティブ)が必要な理由
顧客の声を収集する重要性とメリット
ビジネスの収益を改善する方法は多く分けて2つあります。新規の顧客の数を増やすか、既存顧客の顧客体験をいかに向上させるかです。後者を実現するために、既存顧客と接点となっている自社サービスのどの部分が全体の顧客体験に対してポジティブ/ネガティブな影響を与えているかを把握することが重要です。
簡単に言うと、売上との関連性が強いネガティブな部分から改善を行うことで、収益を向上させることができます。そのためには、実際にサービスを体験している顧客に実際に聞いてみて、本音を聞き出すしかありません。
では、どうすれば顧客が、自身の貴重な時間を割いてフィードバック(本音)を提供してくれる仕組みを構築できるのでしょうか?
その方法の一つとして、フィードバックに対して報酬を与えるという方法があります。
回答に対して報酬(インセンティブ)を与えるデメリット
実際、報酬を与える事で、回答率が上がり、顧客のフィードバックを多く集めることができるのは事実です。しかし、フィードバックの数が多いことと、そのクオリティは別の話です。
報酬を与えることで、フィードバック数の増加を狙っても、顧客の回答動機が、「有益な情報を企業に提供したい」ではなく、「報酬目的」となってしまうからです。
よって、回答報酬を与える場合の考察ポイントは、「報酬を期待している顧客からどれだけ役に立つ情報(本音)を引き出す事ができるのか」となります。
当社の経験を元に、報酬提供を始める前に注視するべき点を下記にまとめてみました。
回答報酬(インセンティブ)を与える際の4つの注意点
顧客は自分達の声が企業にちゃんと届いている事を確認したい
従来、顧客が提供するフィードバックは、社内向けのプレゼン資料や統計の報告書で利用されるのが通常でした。
では、これは顧客が本来求めているものでしょうか?
顧客は、自身の声が企業に適切に届き、それを元に企業が利用するサービスがどのように改善してくれるかに最大の関心があります。
顧客のフィードバックに対して、企業がいかに耳を傾け、目に見える形で迅速かつ適切に対応できるか。これが、顧客が本来求める回答に対する報酬となります。この対応を実感できた顧客は、今後も企業に必要な有益なアドバイスを与える可能性は高くなります。
そのためにも、顧客のフィードバックを収集する企業は、集まった回答を単に社内の参考資料に留めておくのではなく、事業ひいては売上の改善を行うためのヒントであると認識し、下記のポイントを押さえたうえで、迅速にアクションに繋げなくてはいけません。
・すべての肯定的なコメントは、自社のサービスをPRするための事例となる。
・すべての否定的なコメントに対しては、企業が迅速に対応しなくていけない緊急性がある。
・あらゆる問い合わせには、事業を拡大し発展させる機会がある。
アンケート内容がシンプルであること
アンケートに回答する顧客が、アンケートに対して「短すぎる」と不満を言う人はいません。
一方で、50の質問に答えないと完了できないアンケートに対して、答えたい顧客がいるでしょうか?企業が提供するサービスではなく、アンケートによって大切な顧客を失ってしまうのです。
企業が顧客に行うアンケートは、調査会社が行う「調査」ではなく、「コミュニケーション」と考えると良いでしょう。
コミュニケーションの基本は、聞き手からスムーズに本音を聞きだす聞き上手になる必要があります。それを念頭に、本当に聞きたいことを取捨選択し、アンケートをシンプルに作成しましょう。
顧客との関係(エンゲージメント)を強化する報酬=良い報酬
金銭の報酬が必ずしも最善の方法であるとは限りません。顧客とより良い関係(エンゲージメント)を構築することができる、報酬提供者と顧客の両者にとってWin-Winとなる報酬を考えてみましょう。
コーヒーショップのオーナーを例として考えてみます。
回答に対する報酬を、次回の来店時に利用できる飲み物のサイズアップにつながるクーポンに設定することができます。このタイプのインセンティブは、回答に対する動機を向上させるだけれはなく、再訪のきっかけとなります。
デジタルインセンティブの利点
紙の引換券や雑誌のクーポンなどの従来の報酬とは違い、デジタルの報酬には今までとは違った以下のような利点があります。
・フィードバックの結果と他のデータを紐づけることができる(例えば、売上データと紐づけて、売上と回答の相関を分析することが容易になった)
・異なる報酬ごとの、実際の回答率や回答傾向を容易に検証することができるため、実際のデータに基づいた最適の報酬を設定することができる。
・様々な顧客の声を連携させるとができる。(店舗のアンケート、SNS上の定性データ等)
・インセンティブ目的の重複回答を防ぐことができる。
顧客満足度調査の回収率と報酬(インセンティブ)を最適化するには
Koeeruが提供するCXソリューション
顧客のフィードバックを収集する上で、「するべき事」、「するべきではない事」を正しく理解した上で、Koeeruが提供するCXソリューション「Koeeru for CX」では、顧客の収集以外に、下記の機能をご利用頂く事ができます。
・回答(特にネガティブな意見)からアクションまでの時間を短縮し、顧客が自身の意見が無視されていると感じないように、予め設定したシナリオで回答が発生した場合に、Emailで通知することができる。
・企業が指定する特定のデジタルクーポンを報酬の提供から管理まで全て自動化し、顧客とのエンゲージメントを強化することができる報酬システムを利用することができる。(手数料とインセンティブの代金は別途発生)
・企業独自の顧客データや売り上げデータと顧客のフィードバックを連携することができる
上記のソリューションにご興味・ご質問等ございましたら、ご遠慮なくお申し付け下さい。
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