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インターネットリサーチ(Web調査)とは?調査フローやメリットを徹底解説|Koeeru Academy
企業が顧客にもっと近づき、売り上げを伸ばしていくには、データドリブンなアプローチをしていくことは必要不可欠です。企業の大小にかかわらず、顧客を常に理解することは、ビジネスを成功に導くといえるでしょう。
製品に関するフィードバックを収集したり、市場を理解するためにマーケティングリサーチを実施することは、顧客のインサイトを知るためには欠かせません。
なぜ今インターネットリサーチ(Web調査)が調査の主流になっているのか
調査やマーケティングリサーチと聞くと、インタビューを実施したり、郵送はがきや電話での調査など従来の手法を思い浮かべる方が多いのではないでのしょうか。
しかし、ネットやデジタルデバイスが普及した現在、インターネットリサーチ(Web調査)が主流になってきているといえるでしょう。
実際に2018年度、インターネットリサーチ(Web調査)はアドホックリサーチ市場の約52%を占める売り上げシェアを誇っています。(出典:JMRA「第44回経営業務統計実態調査」)
インターネットリサーチは従来の調査手法より手軽に行えることから、多くの企業のマーケティングリサーチの手法として取り入れられています。
また、グローバルな経営が求められているなか、国内だけでなく海外の市場調査手法としても注目されています。
今回はインターネットリサーチの基本的な流れと、そのメリット・デメリットについてご説明します。
目次
1. インターネットリサーチ(Web調査)とは?
- インターネットリサーチ(Web調査)の調査の仕組み
- インターネットリサーチ(Web調査)のアンケートモニターとは
- インターネットリサーチ(Web調査)の調査方法
2. インターネットリサーチ(Web調査)の調査フロー
- 調査目的を明確にし、コンセプトを決める
- 調査票(アンケート質問)を設計する
- アンケートを配信し、回答を集める
- アンケートシステムでプログラミングする
- データを確認し、分析する
3. インターネットリサーチ(Web調査)のメリットとデメリット
- インターネットリサーチ(Web調査)の5つのメリット
- インターネットリサーチ(Web調査)のデメリット
インターネットリサーチ(Web調査)とは?
”インターネットリサーチ”と聞くと、ECサイトでの料金比較や、ウェブ検索などによる情報収集を思い浮かべる方もいるかもしれませんが、ここで説明するインターネットリサーチとはウェブ上で行うアンケート調査のことを指します。
企業の経営戦略・販売戦略を考案するにあたっては、ウェブ検索では収集できることに限りがあるため、直接消費者に意見を聞くために質問を設計しオンライン上でアンケートフォームに入力してもらうプロセスを行うのです。
そのようなウェブ上でアンケートデータを回収する調査手法をインターネットリサーチといいます。
企業は、アンケートを送信して、対象となる消費者からアイデアやフィードバックをもらいます。その見返りとして、オンライン調査への回答に参加するパネリストは、割引券などのインセンティブまたは報酬を受け取ることができます。

インターネットリサーチ(Web調査)の仕組み
インターネットリサーチは調査会社などにアンケートモニターとして登録している人に対して、ウェブアンケートシステムを通じて行われます。
インターネットの普及によりアンケートモニターは世界中で構築されており、インターネットリサーチは、多言語で多くの国へ同時に調査することを可能にしました。
オンラインで調査を行うことにより、従来の調査方法と比較して労力や結果が得られるまでの時間、コストを大幅に削減しました。
インターネットリサーチ(Web調査)のアンケートモニターとは
インターネット調査に答えるアンケートモニターとはどのような人なのでしょうか。
アンケートモニターは調査会社によって募集され登録している人が大半です。「アンケートに答えてお小遣い稼ぎ」のような広告を見たことはないでしょうか?
アンケートモニターは調査に協力することにより、その調査主体から通貨と互換性のあるポイントなどのインセンティブを受け取る仕組みになっており、モニターの多くがポイント獲得を目当てに登録しています。
インターネットリサーチ(Web調査)の調査方法
UCLA(2014)による調査方法論の概念に関する研究によると、リサーチ方法論とは、調査方法の研究と、調査を実施しながら、有効性を維持し、回答率を高める手法として定義づけられています。
ほとんどのオンライン調査は、定量的な手法を用いて実施します。理想的な定量調査は、いくつか例をあげると、単一回答(シングルアンサー)、複数回答(マルチアンサー)、マトリクス形式の質問など、さまざまな形式の質問で構成させており、パネリストが自分の考えを述べることが求められる自由解答の質問もあります。
このような調査を実施する際には「問1でAと答えた人だけに問2を回答させる」というようなロジックを決めることが可能で、回答のエラーを抑えるため、一貫性のあるロジカルな構成でアンケートを作成する必要があります。
また、アンケートを聞きたい対象を絞り込むことも重要です。例えば若年層の女性へ向けた化粧品開発の調査をしたいとき、男性に聞いても求めている答えは聞き出せないことが予想されるでしょう。
的確な調査対象者をターゲティングすることは、回答データの質を高めるためのコツの一つです。また、パネリストがトピックをきちんと理解し、回答中にギャップを感じることがないように、調査への誘導をわかりやすくすることで、ドロップアウト率を抑えることができます。
インターネットリサーチ(Web調査)の調査フロー

オンライン調査のフローは5つのステップになっていることが理想的です。
この章では調査コンセプトの決定、調査票の設計、データ収集、データ分析、レポートの5つのステップを説明していきます。
調査目的を明確にし、コンセプトを決める
まず、調査の目的を明確にするために調査課題、市場、業界を理解することが重要といえるでしょう。調査が脱線しないように、目的をはっきりさせる必要があります。
調査目的を決めないと、多岐にわたる項目をモニターに対し回答を迫ることになるため、回答者は混乱し正確なデータを取得することができない場合があります。
調査票(アンケート質問)を設計する
調査のコンセプトが決まったら、アンケートの設計から始めます。理想的なアンケートは、調査で明らかにしたい問題を取り上げ、質問と回答のオプションをロジカルに構成しているものです。
失敗しやすい例としてはその居住地域や国におけるスタンダードを無視した質問であったり、年代や性別などによっては、選ぶことが道理に合っていない選択肢が混在していたりすることには気を付けなければいけません。
質問とロジカルフローの一貫性は、回答エラーを減らすのに非常に重要です。
アンケートシステムで設問をプログラミングする
次に考えた質問を回答者が入力できるよう、アンケートの回答画面をプログラミングします。
インターネット調査ではウェブ上で提供されているアンケートシステムを利用して実施することが大半です。
シンプルな調査の場合は、Googleフォームなどの無料プラットフォームを使用して実施することができますが、詳細にわたるロジックタイプの調査は、より専門的なアンケートシステムを使用して設定する必要があります。
アンケートを配信し、回答を集める
回答を集める環境は整いましたが、どのようにしてモニターにアンケートを配信するのでしょうか?手法としては2通りあります。
1つはアンケートモニターを保有している調査会社のモニターを利用すること。しかし、一つの会社のみのモニターを使用してしまうと回答に偏りが出てしまう恐れがあります。同じような傾向を持つモニターにのみ調査をしても実際の市場とは違うデータが出てしまう恐れがあります。
2つ目は、様々な会社の所有するアンケートモニターを束ねるプラットフォームで配信をする方法があります。複数の調査会社のパネルが混在するプラットフォームで配信することで、より市場の意見に正確なデータを得ることが可能になるほか、世界中のパネリストへの調査をすることができるようになります。
データを確認し、分析する
次のステップはデータ分析です。ここでは、取得したデータを慎重に精査して、データのロジックや一貫性に欠陥がないことを確認します。自由回答の質問に対しては、スペルチェックと意味合いのチェックも行われます。
最後に、不適切または無効な回答を削除し、データファイルを整理したら、必要に応じて詳細なレポートを作成します。
インターネットリサーチ(Web調査)のメリット・デメリット
インターネットリサーチの概要や調査手法はわかりましたが、なぜ現在インターネットリサーチが調査手法として多く用いられているのでしょうか。
次にインターネットリサーチのメリット・デメリットを説明します。
インターネットリサーチ(Web調査)の5つのメリット
インターネットリサーチは従来の調査実施方法と比較して、オンラインでの手法は次のような点で優れています。
- 時間と費用の削減:オンライン調査は、必要な言語と国で実施でき、すべて同時に行うことができます。従来の調査方法では、調査を行うために各国で多数のリサーチャーが必要でした。一方、オンライン調査では必要なプロジェクトマネージャーは1人だけです。したがって、コストを大幅に削減することができます。
- 正確かつ簡単:パソコン、スマートフォン、タブレットを使用して、誰でもオンライン調査に参加できます。パネリストは画面をクリックまたはタップするだけで回答を選択できるため、エラーも減少します。
- 迅速な分析:すべてのデータはオンラインで入力されるため、データ分析のプロセスは簡単かつ迅速に行われます。
- スピーディー:データ分析に費やされる時間が短縮されるため、データドリブンな意思決定をタイムリーに行うことができ、消費者のニーズに対してビジネスを臨機応変に対応させることができます。
- ブランドマーケティング:オンライン調査が行われている間に、数百人または数千人の人がブランドを検索しているかもしれません。ブランドプロモーション、またターゲットとなる消費者からの認知度アップのチャンスにもなります。

インターネットリサーチ(Web調査)のデメリット
一方で、回答者にフォローアップを行う必要がある調査などにおいては、インターネットリサーチには難しい点もあります。特に、長期間または毎月行われるような調査の場合、前月のプロジェクトに参加したパネリストが今月のプロジェクトに参加できないことがあると、データに不一致が生じることがあります。
さらに、特定のモニターに追加で詳しい回答を求めることは、従来の方法では行うことが可能でしたが、オンライン調査だと難しい場合があります。
最後に
インターネットリサーチについてご理解いただけましたでしょうか。
現在、リサーチを実施したいと考えている、手法を検討している場合は、下記よりお気軽にお問合せください。
本記事についてのご不明点等でも構いません。
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