
Koeeru トレンド
キリンビール台湾展開 | データからみる台湾のアルコール・飲料品市場の魅力
※2020年11月に作成した記事の再掲となります。
Koeeruトレンドでは、最近話題になった企業の海外展開の事例を取り上げ、展開先の国の情報や市場の魅力をKoeeruのデータセットを用いて分析します。今回取り上げるのは、キリンビール株式会社の「Tap Marché(タップ・マルシェ)」です。
キリンビール株式会社は、新しいクラフトビールの楽しみ方を提案する「Tap Marché(タップ・マルシェ)」を、2020年7月から台湾において展開開始しました。「Tap Marché(タップ・マルシェ)」は、キリンビール株式会社が開発した一台で四種類のビールの提供な小型のディスペンサーで、同社は多様なクラフトビールが飲める場を提供する取り組みを行っています。海外での「Tap Marché(タップ・マルシェ)」取り扱いは台湾が初となります。
そこで本ブログでは、キリンビール株式会社がクラフトビールの展開先として選んだ台湾にフォーカスを当て、台湾における日本のクラフトビールの可能性を探ります。Koeeru独自のアンケートデータを用いて台湾と他国を比較し、台湾におけるビール市場の魅力と、今後着目すべきポイントをみていきましょう。
目次
1. 台湾のアルコール事情
2.台湾の飲み物市場 – 日本と台湾の比較
3. まとめ
台湾のアルコール事情

上のグラフは、「平均で、1週間に何回アルコールを消費するか」という質問に対し、台湾と他の国々のアンケート結果(1週間の平均的なアルコールをのむ頻度)を表しています。
台湾では「全くアルコールを飲まない」「1週間に1度よりも少ない頻度」と答える人が合計で62%と他国の平均と比べ多い印象を受けます。つまり、他の国と比較するとあまり飲酒の習慣がない、アルコールを好まない、もしくはアルコールを控えている人が多いということがわかります。
一方、全体と比べると飲酒の習慣がないと見受けられますが、1週間に1〜3回、または4〜7回、8〜10回、10回以上アルコールを飲む人は全体の35.8%で、飲酒を好む、または習慣的に飲酒する層も存在することがわかります。
台湾の飲み物市場
次のグラフは、「以下の飲み物の中で頻繁に消費するものはどれですか?(複数回答可)」の質問に対する台湾と他の国々の回答を表しています。
台湾における飲み物の消費では、国産ビールが三番目にランクインします。国内ビールを頻繁に飲むと回答した割合が50.6%に対して、アルコールでは国産ビールの次にランクインする赤ワインは31.7%と、国産ビールの人気がわかります。また国産ビールだけでなく海外のビールも人気で、30.3%が頻繁に消費すると回答しています。

世界平均と比較した時の台湾の特徴ではいまいちピンとこない、という方のために、次のグラフでは日本のデータを用いて、日本と台湾の飲料品消費のデータを比較してみました。
日本と台湾の比較

日台を比較してみると、日本よりも台湾の方が国産ビールを「頻繁に消費する」と答えた人が多いことがわかりました。アルコールの消費頻度が台湾よりも圧倒的に多い日本ですが、頻繁に消費するアルコールの種類は少なく、ビールの他には白ワインやアルコール入り炭酸飲料などが消費されています。それに比べ台湾では、ワインやシャンパン、ウイスキーなど多様なアルコール飲料を頻繁に消費すると答えた上で、数ある飲み物の中でもビールが特に人気だということがわかります。
また、輸入ビールにおいては台湾が30.3%のところ、日本は5.9%しかないなど、台湾は自国で製造されたビールのみでなく、海外から輸入したビールの消費も多い特徴があります。つまり日本に比べ輸入ビールを受け入れる土壌があるいうことがおわかりいただけるかと思います。
まとめ
台湾では飲料品の中でも国産ビールが三番目に頻繁に消費する飲み物としてランクインしているほか、輸入ビールを受け入れる土壌があるという点では、海外展開の第一歩として台湾に駒を進めたのは得策だと言えるでしょう。しかし、台湾全体としてアルコールの消費の頻度が低い点がネックになる可能性があります。今回取り上げた国単位の比較データだけでなく、より詳細かつ質問事項や対象者をカスタマイズしたアンケートを実施することで、ビールの種類や価格における好み、購入の動機などを調査し、日本のクラフトビールを消費してもらう可能性があるか見極める必要があるのではないでしょうか。
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