
Koeeru トレンド
任天堂Switchブラジル展開 | Koeeruのデータからみるブラジル市場
※2020年12月に作成した記事の再掲となります。
Koeeruトレンドでは、最近話題になった企業の海外展開の事例を取り上げ、展開先の国の情報や市場の魅力をKoeeruのデータセットを用いて分析します。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済的にも大きな打撃があり、海外事業の撤退を決める企業が多く存在しますが、そんな中でも海外展開を積極的に行う日本企業があります。世界各国で感染拡大に歯止めをかけるためステイホームが呼び掛けられたことが追い風となり、一気に世界中で需要が急増した製品、それが任天堂のNintendo Switchです。
任天堂は今年(2020年)9月にブラジルでの Nintendo Switchの販売を開始しました。任天堂は、ブラジルのゲーム機に対する関税の高さなどを理由に2015年に一度ブラジル市場から撤退していますが、今回5年ぶりとなる主要ゲーム機器のブラジルでの公式販売を再開しました。
本記事では、なぜこのタイミングでブラジル市場に展開したのかを掘り下げるべく、ブラジルのゲーム市場の魅力をKoeeruのデータセットから探っていきます。
目次
- ブラジルにおけるゲームのプレイ頻度
- 世界との比較
- 日本との比較
- オンラインゲームやVRゲーム
- ゲームで使用するデバイス
- ゲーム消費(ゲームソフトを1ヶ月に何本購入するか)
- まとめ
ブラジルにおけるゲームの利用頻度
・世界との比較

上の表が、ブラジルと、アンケートに回答した他国の回答者を含めた全ての国を比較した1週間のゲーム利用時間の比較グラフです。
「全くプレイしない」と回答した人が全体では25%を超えているのに対し、ブラジルでは「全くプレイしない」と答えた人が18%で比較的少ないことがわかります。また、65.9%の人が「週に1時間以上ゲームを利用する」と答えていることからも、ブラジルにおいてゲームは人々に身近な存在であると言えます。
・日本との比較

先ほどのグラフはブラジルと全ての国を比較しましたが、次に同じアンケートの結果をブラジルと日本のデータで比較してみましょう。任天堂やSONYなど、ゲーム機器やゲームソフトの生産・販売が行われることで「ゲーム大国」として有名な日本ですが、アンケートによるとゲームを利用しないと答えた人が50.9%で、二人に一人はゲームを利用していないと言う結果になりました。日本で次に割合が多いのが1週間に1時間以下の回答で、16%でした。この比較結果からも、ブラジルにおける日本を凌ぐゲーム人気が伺えます。
オンラインゲームやVRゲーム

ゲームには様々な種類がありますが、近年人気が高まっているのが、世界中のユーザーと同時にゲームをプレイして楽しめるオンラインゲームや、VR(バーチャルリアリティー)を使った、ゲームの中の世界に入り込んだ感覚を楽しめるVRゲームです。
世界中のプレイヤーとオンラインやVRのゲームをプレイすることがあるか、という質問のアンケート結果をブラジルと全ての国で比較すると、ブラジルでは44.8%と多くの人が「オンラインやVRのゲームを利用しない」と回答したものの、オンラインゲーム、VRゲームのどちらか、またはどちらも利用したと回答した人の割合は52.7%と、プレイしたことがない人の割合よりも多く、全体の結果と比較するとプレイしたことがある人が高い割合で存在します。
この結果から、ブラジルのゲーム市場には新しい技術を用いたゲームを積極的に利用していきたい顧客が多い、または世界のプレイヤーとコミュニケーションをとって一緒にゲームをプレイしたいと考える顧客が多いなどの仮説を持つことができます。
ゲームで使用するデバイス

ゲームをプレイする際に使用するデバイスのランキングは、ブラジルと全体の違いは大きくありませんでした。世界的に、携帯・スマホ、タブレット端末等を使用してゲームを利用する人が多く(ブラジルは63.4%)、PCやノートPCの使用も多いことがわかります。(ブラジルは57.2%)。任天堂Switchのようなゲームコンソールもブラジルでは42.1%が使用しており、加えてSwitchは持ち運びもできるため、家の外でも中でも楽しめることが人気の理由の一つでもあります。
ゲーム消費(ゲームソフトを1ヶ月に何本購入するか)

ゲームをどれくらい購入するかについてのアンケートでは、ゲームを購入しないと言う層が41.2%存在し、この中にはゲームをプレイしない、または無料のゲームをプレイする人が含まれています。多い順番に、1つ以下、1〜2個、3〜5個と増えていき、全体との違いはあまりありません。
以上の比較結果から、ブラジルではゲームをプレイする割合が全体より多く、オンラインやVRなどのゲームが人気であるところが特徴だということがわかりました。
まとめ
今回ゲームに関する世界全体のアンケート結果とブラジルのアンケート結果を比較しましたが、ブラジルはゲームをプレイする割合が非常に高く、広い国土で多くの人口を抱え、経済発展が進んでいる国であることを踏まえると、ゲーム機器、ゲームソフトの展開先として非常に魅力的な国であることがわかりました。
また、オンラインゲームやVRゲームへの興味の高さからも、今後は新しいゲームの形や、より人とのインタラクションを活性化するゲームが市場で求められるかもしれません。ブラジルでは待望のSwitch販売が叶ったたことで、今後も任天堂はSwitch関連商品を中心にブラジル市場で勢いをつけていくと考えられます。
任天堂のブラジル展開は、市場と展開先を賢く選べばこのコロナの時代でも海外展開が成功することがよくわかる事例であると言えるでしょう。時期を待つのではなく、適切な海外市場調査や顧客満足度の測定を行うことが、コロナ禍の越境ECを成功に導く鍵となるかもしれません。
Koeeruの提供するCollectorは、多言語のオンラインアンケート作成から配信・回収、集計、分析、視覚化、共有までの一連のプロセスをワンストップで一元化することができるデータプラットフォームシステムです。150ヵ国の1億人以上のグローバルパネルネットワークを活用し、ご希望の対象のグループからアンケートを回収いたします。高度なロジックやアンケートフローを構築することができ、企業の海外展開における市場調査にもご活用いただけます。
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