
Koeeru トレンド
カレーハウスCoCo壱番屋インド展開 | データからみるインド市場
※2020年11月に作成した記事の再掲となります。
Koeeruトレンドでは、最近話題になった企業の海外展開の事例を取り上げ、展開先の国情報や市場の魅力をKoeeru独自のデータセットを用いて分析します。今回取り上げるのは、カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)です。
株式会社壱番屋と三井物産株式会社がカレーハウスCoCo壱番屋をインド全土で展開することに合意し、昨年(2019年)6月に合弁会社を設立、インド展開への準備を開始しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により当初の予定からは遅れたものの、今年(2020年)8月にインドの首都ニューデリーで1号店がオープンし話題となりました。
これにより海外では12か国目の展開先となったココイチのインド進出ですが、カレーの聖地インドでココイチがどう日本のカレーをプロモーションしていくか気になるところです。今回のブログでは、Koeeruのアンケートデータを用いてインド市場展開の気になるポイントを探っていきましょう。
目次
1インドの経済事情
- 収入に関するアンケート
2インドの食べ物事情
- ファストフードに関するアンケート
- ファストフードレストランに関するアンケート結果
3まとめ
インドの経済事情
インド市場を知るために、まずはインドの世帯年収のアンケートから、インドの消費者の経済事情をみていきましょう。

上の表は、インドの9,811人を対象とした世帯年収に関するアンケート結果です。1インドルピーは日本円にして1.4円相当(2020年11月現在)のため、それぞれを単純計算で日本円に換算すると、一番回答者の割合が多かった500,000から1,000,000ルピーは日本円で70万円から140万円になります。次に多いのが、0から70万円ほどの世帯年収です。
下の表は、日本における世帯年収のアンケート結果です。

(*「全て」には日本のデータも含まれており、日本円以外の通貨を使っている国は「答えたくない」の回答に分類されています。)
インドと日本では物価や生活にかかる様々なものやサービスの価格が異なり、一概には比較できないものの、日本円にして140万円以下の世帯収入と回答した人が66.7%のインドに比べ、日本は200万円以下の収入の人が10.5%という結果でした。経済発展が著しいとはいえ、インドの所得水準は未だ低いのが現状と言えそうです。
ココイチのインド店舗における客単価は約550ルピー(日本円で約 770 円)を想定しており(株式会社壱番屋ニュースリリース参照)、日本のココイチカレーの価格よりも高く、インドのアッパーミドルクラス以上の消費者にとっての選択肢の一つとなることが想定されます。
インドの食べ物事情
インドといえばカレーを思い浮かべる方も多いかと思いますが、もちろん食の選択肢はカレーだけではありません。伝統的なインド料理から、屋台の食事、ファミリーレストラン、ファストフードまで多くの選択肢があります。
ココイチのカレーは「ファストフード・ファミリーレストラン」に分類されるため、次にインドと日本のファストフード・ファミリーレストランの利用頻度、そして特にインドの人々に人気のお店に関するアンケート結果をご紹介します。
Koeeruのアンケートでは、各国の消費者がファストフード(ファミリーレストラン含む)を週に何回食べるかを調査しました。下記のグラフから分かる通り、インドではファストフードを週に1〜3回食べると答えた人が最も多く42.1%で、週に1回以下と答えた人が次に多い30.7%でした。約半数が週に一回以下と回答した日本と比較すると、インドではファストフードを食べる頻度が多いことがわかります。
また日本ではファストフードを食べない層が27.6%いるのに対し、インドでは5.6%でした。インドの人々にとってファストフードが身近な存在であるということがわかります。

次の表は、インドの人がどのファストフード店を頻繁に利用しているかを尋ねたアンケート結果です。ファストフード店の中でも特にインドの人に好まれているのはドミノピザ、マクドナルド、KFCで、日本でも人気のお店が並んでいます。

これらのデータから、インドの人々の食事は多様であり、人気のファストフードも種類は豊富で、多様な需要があるということがお分かりいただけると思います。
まとめ
「インドといえばカレー」などといったステレオタイプに反し、ファストフードやファミリーレストランのオプションも豊富で食が多様化しているインド。日本のカレーは本場のカレーとは異なりますが、「日本風のカレー」として、一つの選択肢になると考えられます。しかしインドの経済事情などを鑑みると、頻繁にココイチのカレーを食べに行ける層はあまり多くないことが伺えます。
商品やサービスの海外展開にあたり、出店前だけでなく出店後も現地の声に耳を傾けることが顧客獲得の鍵となります。現地の人々を対象としたより詳細なアンケートを実施することで、ターゲットの絞り込みや価格設定を見直すきっかけになるかもしれません。
Koeeruの提供するCollectorは、多言語のオンラインアンケート作成から配信・回収、集計、分析、視覚化、共有までの一連のプロセスをワンストップで一元化することができるデータプラットフォームシステムです。150ヵ国の1億人以上のグローバルパネルネットワークを活用し、ご希望の対象のグループからアンケートを回収いたします。高度なロジックやアンケートフローを構築することができ、企業の海外展開における市場調査にもご活用いただけます。
海外市場調査や顧客満足度の測定等、企業の悩みや疑問に答えるカスタマイズのアンケート構築をご希望の方、また本記事に関する疑問やご相談がある方は、下記よりお気軽にご相談くださいませ。
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