
Koeeru トレンド
【日本欧州3カ国インターネット調査】新型コロナウイルス感染症が発生した際の消費者マインドの測定
※本記事は2020年2月に掲載した記事の再掲となります。
ここ週週間のニュースは新型コロナウイルス感染症(Covid-19)関連のニュースにて埋め尽くされてしまいました。最初、中国武漢市で発生した新型コロナウイルスはすぐさまにアジア諸国に広がり、この記事を書いている間にも世界中に広がりました。弊社にも影響がありました。 2月下旬、シンガポールで我々が参加する予定であったカンファレンスが中止となり2月19日より我々の日本支社の社員は在宅勤務するよう指示が出ました。アジア諸国では、マスクなどのパニック買いや海外観光客の数が減ったというニュースがたくさん報道され、3月1日には最初の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の影響による破産申告をした会社があるという報道がありました。このような背景にて、Koeeru社は世界の人々がどのように新型コロナウイルス感染症(Covid-19)を追って、この伝染病がどのように彼らの旅行や購入習慣に影響があるかを調べたく、国際調査を実施しました。
目次
1. 調査パラメータ/デザイン
2. 新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の認識
3. 旅行計画の変更
4. 購入習慣の変更
5. 結論
調査パラーメータ/デザイン
グローバル消費者データ会社として、Koeeru社は、グローバルオムニバス調査の一環として頻繁に調査を実施します。数々の顧客に調査したアンケートを一括し、1000のアンケートを実施し、人口統計学的に一致させ、2週間に1度回答します。2月21日から24日に実施された最近の調査では、パネリストに新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の発生について日本、フランス、スウェーデンとフィンランドに意見を伺いました。
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の認識
パネリストにした最初の質問は、彼らがどれくらい新型コロナウイルス感染症(Covid-19)発生の報道を追っているかを調べる為のものでした。その中で、次のように質問しました:
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の発生についての報道を追っていますか?
驚く事なく、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)を気にするという事はその国に大きな衝撃を与え、日本では、回答者の約半分はその報道を毎日追っていると、他の国と比べとてこのウイルスに、大きな認識と興味がありました。
Covid-19の認識

調査を実施した4か国のうち、スウェーデンが一番多く答えたのが「いくつかの報道を見る」と、このトピックに一番興味を示さない国でした。性別で区別すると、意識レベルには、ほとんど違いが見られませんが、年齢で区別すると、一般的に年齢とともに認識が高まります。
(詳しいデータが必要な場合、弊社にお問い合わせください)
旅行計画の変更
次の質問は旅行計画についてです。アジア諸国では、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)発生が旅行業界に経済的損害を与えたと感じています。航空会社は多くのフライトをキャンセルし、多くの従業員は無給休暇を与えられています。このウイルスの影響により破綻申告をした会社もあります。ウイルスに関するネガティブな報道があっても、多くの人は、「旅行計画を変えない」と驚く結果となりました。
調査では次に回答者にこう質問しました:
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の発生はあたなのこの先6か月の旅行計画に影響しましたか?
旅行計画の変更

この質問に関しては、日本が最も「旅行計画を変える」と回答し、30%の「回答者が旅行計画を変更した」又は「変更を検討中」と答えました。
ヨーロッパの国では、17%のフランスの回答と、14%のスウェーデンとフィンランドの回答が同様のものでした。興味深かったのは、ヨーロッパの国々の人は主に海外旅行を気にしていましたが、日本は多くの回答者が国内旅行を変更した又は変更を検討したと他の国の3倍から4倍の割合で回答していました。なぜそのような回答をしたのか聴取したところ、得られた回答は驚くべきものでした。
スウェーデンでの典型的な答えとして「怖くない」、「リスクは少ない」、「普通のインフルエンザのようなもの」がありました。 フランスとフィンランドでの回答は、「旅行計画の欠如」又は「中国との関係はほぼない」そして、多くの回答者がヨーロッパ国内の旅行をあげていて、ヨーロッパ国内はまだ安全だという回答でした。対照的に、多くの旅行計画があった日本人は計画をキャンセルする又はすでにキャンセルしたと回答しました。一般的な回答としては、「ウイルスは国全体に広がっている」、「多くの人がいる場所に行きたくない」「リスクを回避したい」でした。明らかに、ヨーロッパ諸国より日本の方が恐怖心を感じているようでした。
購入習慣の変化
最後の質問は、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)発生のニュースがどう購買行動に影響しているかについてです。この調査を実施している時期に、パニック買い(特にマスク、手の消毒液、トイレットペーパー)の報道がでありました。 この傾向は他の場所でも起こっているのかを知りたく、次の質問をしました:
新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の発生はあたなの購買行動に影響しましたか?
日本人の購買行動は、調査を行ったヨーロッパの国々とは著しく違っていました。
購入習慣の変化(概要)

上記のチャートにてお分かりの通り、約40%の日本人は15%以下のスウェーデン人、フィンランド人、フランス人と比べて、何らかの購買行動が変わったとありました。どのように人々が変わったかによって分類した時、 手の消毒液と手術用マスクが多く買われ、特に日本では手術用マスクの購入が大幅に増加しました。
購入習慣の変化(詳細)

性別に分類して見てみると、特に日本とフィンランドでは、女性の方が男性より購買行動が変わっている事がはっきと分かります。興味深い回答としては、スウェーデンの女性は手の消毒液の購入が増加し、スウェーデンの男性は食料の購入が増加したことです。
購入習慣の変化(性別)

なぜそのように回答したのか聴取したところ、多くのヨーロッパの人々は「何も買う必要はない」又は「ウイルスはまだヨーロッパに来ていない」と回答しました。対照的に日本人は感染を避ける為にマスクや手の消毒液が必要と回答しています。購買行動が変わっていないと回答した人の理由として「マスクや手の消毒液がすでに売り切れになっていた」という声もあり、すでに商品が品薄になっている傾向もうかがえました。
結論
上記のデータにて、日本とヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)をどう懸念しているかの違いがはっきりと分かりました。この調査が実施された時点では、日本人はヨーロッパの人よりウイルス関連のニュースを頻繁に追い、より多くの旅行計画と購買行動を変えた事が分かりました。確かに、これは日本が中国に近い位置にあり、毎年何百万人訪れる中国人観光客の存在も起因していると言えるでしょう。またSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(コロナウイルス)の経験もいくらかの影響があるでしょう。
この記事を書いている今、特にイタリアでも感染者の数は急増しています。今後、これらの考えがどう変わっていくか、はたしてヨーロッパ諸国の回答は日本のようになっていくのか、又は他の特徴が見られるか、このウイルスの影響をより深く読み取る調査としたいと思います。
この国際調査に関して、年齢又は社会階級が回答にどう影響したかなどのデータを含む、詳しい内容をご希望でしたら下記を参照に弊社にお問い合わせください。
最後に
Koeeruグローバルトレンドでは、Koeeruの海外リサーチシステムを利用して、Koeeru及びパートナー企業が行ったグローバル調査の結果を定期的にご紹介します。
データに関するご質問や転載をご希望の方は、お問合せよりご連絡下さい。
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