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調査をする前に知っておきたい中国市場の特徴 | Koeeru Academy

10月 2, 2023

前回Syno Academyでご紹介した「調査をする前に知っておきたいアメリカ市場の特徴」。今回の記事ではこちらの第二弾として、中国市場をテーマにご紹介します。

巨大な市場と人口を抱える中国。ここ数年で飛躍的にテクノロジー分野が発展し、国内でも電子決済が早い段階で導入され、ECにおける消費量も多く、インターネットを活用した購買行動が主流になっています。

本ブログでは、中国での越境ECをお考えの方に、調査を行う前に知っておきたい中国市場の基本情報や現在のトレンドをお届けします。

目次

1. 中国のEコマース市場

  •  EC全体の売上高
  •  ECのシェア

2. Eコマースのトレンド

  •  ライブコマース

3. 中国国内のセール

  •  独身の日
  •  618セール

終わりに

  •  中国事業展開、越境ECをお考えの方へ、グローバルコンセプトテストのご紹介

中国のEコマース市場

EC全体の売上高

経済産業省 令和3年度 電子商取引に関する市場調査 より)

上のグラフは国別のBtoC-EC 市場規模トップ 10を示しています。中国は他国と比較してもダントツの1位で、日本と比べ10倍以上の規模です。ここまでECが広がったのは、多くの人口を抱えていることも一つの理由ですが、国民のEC利用率を高めるための国の施策なども背景にあります。

ECのシェア

2018年度 中国小売業の取引高ランキング (単位:億元)

企業名取引高
天猫(T-mall)24,520
京東16,769
拼多多4,716
蘇寧雲商3,367
大商集団3,002
NRI デジタル世代が牽引する中国EC市場の実態と日系企業にとっての機会(TMIC-NRI中国EC市場白書2019より)

こちらは、中国国内における取引高の高い企業のランキングです。上位3位の企業は全てECサイトで、特にアリババが運営する天猫(Tmall)とテンセントグループが運営する京東商城(JD.com)が主要プレイヤーです。

天猫(Tmall)は各企業にマーケットプレイスを提供し、出店料や売り上げの一部をもらうビジネスモデルなのに対し、京東商城(JD.com)は自社で商品を仕入れて売るビジネスモデルをとっています。

越境ECで日本法人が中国ECに展開する際は、天猫国際(Tmall Global)、JD worldwide(海囤全球講)という海外企業向けのサイトが別に存在し、そちらで出品をすることが可能です。

これら二つが比較的裕福な都市部の消費者をターゲットにしているのに対し、拼多多は地方の消費者をターゲットにし、安さを売りにしています。拼多多は商品を欲しいと思う他人同士が集まり共同購入をするシステムで、同じ商品が欲しい人が多ければ多いほど商品を安く購入できるというビジネスモデルです。拼多多はサービス開始からまだ5年しか経っていませんが、よりやすい商品を求める消費者から支持を受け、短期間で急成長を遂げました。

中国のEコマースのトレンド

・ライブコマース

中国で近年大きな存在感を放つEコマースの1つが、ライブコマースです。ライブコマースとは、簡単にいうとテレビショッピングとEコマースを融合したようなプラットフォームで、ライブ配信を閲覧しながら、ライブ配信中に紹介された商品を購入できるシステムです。

主にインフルエンサーや企業の担当者が「ライバー(ライブストリームを行う人を指す)」としてライブ配信をしながら商品を紹介し、ライブ閲覧者に購入してもらうプラットフォームです。しかし、一般の人もライブ配信を通して誰でもライブコマースを行うことができます。

従来のネットショッピングでは、商品の写真、商品説明、また購入者のレビューしか購買の判断材料はありません。しかしライブコマースは動画を介して商品を勧められるので、商品の良さが伝わりやすく、また販売する人が実際に使用している姿を見ることができる上、使ってみた感想やお勧めするポイントを紹介してもらえるため、購買につながりやすいのです。

そんなライブコマースが人気の理由としては、主に以下の4つが挙げられます。

・商品への信頼

写真だとよく見えるため買ったものの、届いた商品は全くの別物だった、などといった経験がある方もいるのではないでしょうか。中国でも偽物の商品が販売されることが多くあり、消費者は信頼できる商品を求めています。ライブストリーミングだと実際の商品を目にすることができ、ライバーが商品を着用した様子、ライバーによる商品の感想などを見聞きして判断ができるため、商品への信頼度が上がるのです。

・ファンコミュニティ

ライブコマースの特徴は、その場にいて商品を購入するような臨場感と、ライバーを中心とした他の視聴者と共に作り上げるコミュニティの存在です。ライブ配信中にコメントをするとライバーから反応があったり、商品に関する疑問にその場で答えてくれたりします。ライバーの中にはカリスマ的存在がおり、彼らはファンのコミュニティを作り上げ、売り上げに繋げています。また、特定のライバーやお店のファンになるとVIP待遇が受けられ、特別に先行販売をしてもらったり商品の予約ができることもあります。

・安さ

ライブコマースの配信はある意味お祭りのようなイベントのため、運営側がライブストリーミング中に限定のクーポンを配ったり、セールを行うことがあります。消費者はライブを楽しむと共に、より安く商品を購入することができるのです。

・選ぶ手間が省ける

ネット上には商品の選択肢が星の数ほど溢れており、例えば「化粧水」などと検索すると、大量の検索結果が出るため、どれがいいのかわからなくなってしまいます。そこで、信頼のおけるライバーやインフルエンサー、販売会社が選んだ商品なら、実際の使用感や使用した感想を聞くことができるため安心して購入ができます。これにより、大量の選択肢の中から自分が欲しいと思う商品を選ぶ手間を省くことができるのです。

このような理由によりライブコマースは勢いを上げており、中国のライブコマース市場は2025年に2.1兆元規模になると予測され(日本円にして42兆円ほど)、今後も成長が期待されています。

中国国内のセール

前回の「調査をする前に知っておきたいアメリカ市場の特」で紹介したBack to schoolセールやブラックフライデーのように、中国にも独自のセールの文化があり、そのセールの時期に集中して大量の消費が行われます。以下が中国の代表的なセールです。

・独身の日セール

中国で11月11日は独身の日(またはダブルイレブン)と呼ばれ、国内で最大級のオンラインセールが行われます。もともとアリババが独身の日にセールを始めてから中国全土のオンラインストアでこの動きが広がりました。

特にアリババが運営するECサイト天猫(Tmall)では、毎年独身の日の0時からセールを初め、売り上げを電子掲示板に表示して、消費者もお祭りのようなイベントとして独身の日にオンラインショッピングをします。2020年は例外的に11月1日〜3日と11月11日で二回に分け、合計4日間セールを行いました。結果、日本円にして計7兆円以上の売り上げを出し、過去最高を記録しました。

2020年の独身の日は、先に述べたライブコマースも存在感を放ちました。天猫(Tmall)加盟店の多くがライブコマースを行い売り上げを上げたほか、中には24時間ライブを行うためにバーチャルキャラクターを活用するなど工夫をした店舗もあったようです。

・618セール

京東商城(JD.com)が天猫(Tmall)の独身の日セールに対抗して始めたECセールで、主に6月18日に行われるセールです。現在京東商城以外のECサイトも流れに乗り一斉にセールを行っており、中国全土に広がった大規模なセール期間となります。

京東における2020年の618セールの売り上げは日本円にして4兆円以上で、コロナの影響で巣ごもり消費が増えたことから前年より1兆円ほど多い売り上げを達成したと言います。

終わりに

中国のユニークなEC戦法は、テクノロジーの発展や若者の流行に影響を受け、速いスピードで進化していきます。中国での越境ECには、今現在中国の消費者が何を好み、どんな商品、販売方法求めているのかを知ることが特に重要です。現地の声を素早く回収、分析するためには、リアルタイムの消費者の需要や価値観を知ることができるwebアンケートが最適な方法と言えるでしょう。

Koeeruが提供しているグローバルリサーチでは、サービスをどのようなコンセプトで販売するかを決定するためのコンセプトテストの実行や、150ヵ国の1億人以上のグローバルパネルネットワークを活用し、ご希望の対象のグループからアンケートを回収し、結果の分析をいたします。

調査結果をもとに以下のアクションを行うことで、越境ECにおける海外展開のROI(費用対効果)を最適化することが可能になります。

  • 進出先の選択
  • コンセプトのローカライゼーション
  • 価格設定の見直し
  • 商品概要の改善やSEO対策(キーワード)
  • 改善点、購入基準、商品受容性などの結果を元にしたマーケティング(クリエイティブ)の改善
  • 画像評価によるパッケージの制作やローカライゼーション

越境ECやグローバルリサーチに関するご質問、ご相談などございましたら、以下のボタンからお気軽に問い合わせください。

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