koeerü

記事

コンサルタントにインタビュー【国の食意識の違いは何に起因するか】

これまで、日本・アメリカ・中国の3カ国における食に関する調査結果を本ブログ(ページ下部参照)およびホワイトペーパーにて掲載してきました。

今回は、弊社コンサルタントとともに、3カ国間の意識の差について、その背景にある事がらを紐解いていきます。

「ベジタリアン」と一括りに言っても様々

まず3カ国でのベジタリアンの割合を見ると、最も多いのが約25%で中国である。

そして、中国のベジタリアンにおいて最も多いのが「乳製品、卵、魚は食べるベジタリアン」

アメリカのベジタリアンの傾向は「乳製品、卵、魚は食べるベジタリアン」と「植物性のみを食べるベジタリアン」が同程度となった。

「ベジタリアン=野菜のみを食べる人」ではなく、その形態も複数存在しているようだ。

なぜアメリカは食への意識が高いにも関わらず肥満が多い?

アメリカはベジタリアンの割合が17%と日本よりかなり高いにも関わらず、なぜ肥満が多いか。

原因がいくつかあると思うが、一つに「肥満遺伝子を持っている人口が圧倒的に多い」ことが挙げられるだろう。すると糖尿病になるリスクを伴い、必然的にベジタリアンになる他ないといった層も一定存在すると考えられる。

中国の食意識が高いのはなぜ?

中国人口の半数が糖尿病または糖尿病前症というデータがあり、この現実が食意識の高さに起因しているのではないか。無論、アメリカ同様に他にも原因は様々あるはずだ。

上述の通り、糖尿病のリスクがある場合、ベジタリアンになるのはやや必然的であると考える。

また食意識=健康意識と考えるなら、中国は漢方や東洋医学にゆかりの地ということから、ヘルスケアが身近な存在なのかもしれない。

余談だが、治療のために来日するメディカルツーリズムというものも存在するようだ。

中国は来日時の旅行支出が一人当たり約75万円(2023年)と他国より群を抜いて高いため、このデータを見ても、観光と治療目的を合わせて来日するというのも合理的だと考えられる。

さらに、日本製の薬やサプリメントの信頼が高いからか、ドラッグストアでそれらを大量購入している中国人の姿を見たことがある人もいるだろう。

グルテンフリーは流行やお洒落ではなくグルテンアレルギーの人に与えられた選択肢

ベジタリアンとともによく耳にするのが、「グルテンフリー」だ。

日本で「グルテンフリー」と聞くと、「美意識が高い/健康意識が高い」と思うかもしれないが、これは日本独特の認識であり、少々間違った解釈だということがわかった。

前提として、白人はグルテンアレルギー(セアリック病)に悩んでいる人が最も多い人種で、反対に日本人などの有色人種にはその傾向が低いと言われている。

上記の記事によると、アメリカでは、国民の約1%にあたる2100万人(重症の人が300万人ほど、軽症の人が1800万人)がこの疾患を持っていると言う。1%と見ればそこまで多くないと思うが、欧米はパンが主食である地域が多く、そうなると非常に大きな問題と捉えることができる。日本人でいう、そばアレルギーの認識に近いだろうか。

よって意識が高いのではなく、「グルテンフリーを選ぶ他ない」のである。

ベジタリアンもグルテンフリーも、意識が高いものや一過性のトレンドではなく(個人によってはその可能性もあるが)、健康面の状態からやむを得ずそれを選択していると言えるのではないか。

アメリカに住んでいてどう感じるか

弊社コンサルタントはアメリカ在住であるため、上記について現地在住者としての意見を聞いてみた。

宗教的な背景や動物性原料を避ける傾向(ヴィーガン)、さらには上述のグルテンアレルギーの問題などから、アメリカ人は商品パッケージの表記をちゃんと見ている傾向がある。

しかし日本メーカーの商品はパッケージがローカライズできていないことが多く、現地メーカーの商品と比べると、アメリカ人が注目する点がわかりやすく表記されていないこともある。

また州により教育レベルが様々で、一般的に教育のレベルと年収は比例し、年収が高いほど食への意識がた高い傾向になる。(そこまでの余裕があるため)

調査結果から見えた今後のテーマ 〜日本食は万能〜

  • 日本食(米食・玄米食)をグルテンフリー料理として売り出していく
  • 玄米やおから、そばは低GI食品である(血糖値の上昇を穏やかにする)
  • 米粉のポテンシャルは大きい

 世界中で人気になってきたラーメンも、グルテンアレルギーの人は食べられない。ならば、米粉で麺を作れないだろうか?

そのほか、ホワイトペーパーに記載の通り、中国ではいずれの食品カテゴリでも生産地を気にする傾向にある。では中国の消費者は、どこで生産された成果物を好むか(自国かそれ以外か)が興味深い。

 

参照:

肥満の原因は、ある遺伝子のせいかもしれない【米研究】(2017)

https://www.esquire.com/jp/menshealth/a177997/lifestyle-health-asinglegene17-1204/

中国人口の半数が糖尿病または糖尿病前症(2022)

https://www.m3.com/clinical/open/journal/25700

コロナ禍を経た「メディカルツーリズム」の行方。今後の課題と展望を考察(2022)

https://frontier-eyes.online/medical-tourism/

国土交通省観光庁(2023)

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001602887.pdf

グルテンフリーの表示について(発表時期不明)

https://www.miobs.com/product/gluten/about.html

この調査にご関心をお持ちの方は、ぜひ下記ブログおよびホワイトペーパーをご覧ください。

▼ブログ

▼ホワイトペーパー

上記に関するご質問、お問い合わせは下記よりお待ちしております。

 

2023.8.9

キーワードから探す
JICASurvey for Good長野県CEO Blogソーシャルビジネストップニューストップ記事トップ事例Koeeru GlobalKoeeruトレンド海外調査インタビューニュースNews観光ホテルマーケティング記事ホワイトペーパー

新着情報をメールで受け取る

ニュースレターにご登録いただくと、新着情報やWebセミナー、イベントの情報をお届けします。

top

Keep Me
Updated

新着情報や技術情報、Webセミナーやイベントのご案内を受信する

Keep Me
Updated

新着情報や技術情報、Webセミナーや
イベントのご案内を受信する

Download
Now